「すべての女性が性の自立性を持てるように励ましたい」
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— まずは、「いく!いく!スタジオ」というアーティストネームについて教えてください。
『いく!いく!は日本語で「出向く」や「行く」の外に向かっていく意味と、sexでのオーガズムに達するときに日本人がよく言う「イク!」の二つの意味があります。また、日本のAVでは、主人公が絶頂を迎えるとき、「イクイク」と言うことが多い。私のイラストは、「セックスと旅行」の話をしたいので、アートワークの名前として二つの意味を持つ「いく!いく!」を使っています。
なぜ日本語かというと、2016年に直島を訪れた後、心も体も開放されてオーガズムに達しました。台湾に戻った時に直島に関する出版物「いく!いく!なおしま(高潮了!直島)」を作成したことがきっかけでした。』
— なるほど、確かにセックスや旅行の作品が多いですね。それにしても、なぜセクシャリティ(性的)なことを題材にしているのですか?
『性教育・ジェンダー問題は重要だと感じていますし、セックスやセックスについての事柄は偏見にさらされることが多いので、アーティストの私は、自分のイラストを通して「エロの自然さ」を伝えたいと思いました。
特に、私がいる台湾などアジア社会では長い間、私のような女の子が自然に自分の性を表現することができなかったんですよね。まずは自分から、年齢や職業、宗教に関係なく、すべての女性が性の自立性を持つことを奨励したいのです。そのために性的なことを題材にしています。』
「人生を楽しむことが大切」
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— そして、この色やイラストはとってもPOPで親しみやすいですね。IKUちゃんはどんな体験やアーティストから影響を受けましたか?
『オーストラリアは本当に影響を受けました。ワーキングホリデーでオーストラリアに2年間滞在したのですが、台湾に帰国する前に彼氏と2人で2ヶ月間オーストラリアをドライブ旅行したんですね。その時の経験から大きな影響を受けたと思います。 全身全霊で充電しました!』
— どんなところが台湾と大きく違いましたか?
『オーストラリアは労働時間が短く、給料もそれなりなので、生活や旅行のための貯蓄に余裕があります。それから、それぞれが料理を作ってお互いの寮に行き、一緒に食事をしたり、一緒に映画を見たりするパーティーもたくさんありましたね。
でも、オーストラリアに行く前の台湾では、長時間働くので、家に食べ物を持ち帰ったりして、料理をする気分にはなれませんでした。まともに料理をする気分にもなれず、休日は土日の2日だけでしょうし、寝坊することもありました。私はオーストラリアに行き、上手に生きること、人生を楽しむことを学んだと思います。
私はホテルで働いていたのですが、午後3時に仕事が終わるんです! その後は同僚だちと「ビーチに行く?ピクニックに行く?」とか「パブに行く?」など楽しい時間を過ごしました。一緒にいても、仕事が終わると誰一人として仕事の話はしないのが驚きでした。私が刺激を受けたのは、仕事が第一ではなく、どれだけ良く生きるかをとても大事にしているか、ということです。』
— また、日本のカルチャーからも影響を受けていると聞きましたが、日本のどんなところが好きですか?
『日本食、日本のドラマ、銭湯文化や路面電車も好きです! 日本のエロ産業に興味がある! 瀬戸内芸術祭など日本の芸術祭も好きです。好きなアーティストは草間彌生さんです。』
— 日本のエロ産業(笑)日本のAVも観ますか?
『観ますよ、ちゃんとお金を払って観ています。無料だと作った人にお金が落ちなくてフェアじゃないので、こちらも有料版を観ます。全裸監督も台湾で人気で今回Tシャツなどイメージして作りました(笑)』