■私の絵のテーマは「客観視」なんです。
4歳ぐらいから絵を描くのが好きで、唯一褒められるのが絵だったんです。美術系の高校に進学して、このままずっと絵を描こうとしていたのですが、あまり評価してもらえなくて。 17歳の頃、人間関係で悩みだして、気がついたら四角の絵ばかり描きはじめたんです。そもそも建物とか建築が好きだったので、見てて癒されるんですね。四角を描いていたら不安な自分の気持ちが客観視されて冷静になれるんです。無になれるというか、その頃は自分の描いてるものがアートとは思ってなくて。辛い気持ちを紙にぶつけてるだけだと思ってたんです。ある日、高校生しか出せない展示会があって、高校最後だからと四角で出してみたらなんと賞をもらえたんです。「これをアートって捉えてくれる人もいるんだ」と。第三者の目で見てもらうことが大切なんだなと感じたのです。 自分のアートや、自分に自信がない人にも「そんなことないよ」って感じてもらえるのじゃないかと気付いて、それからずっと四角を描き続けています。芸大にも行ったのですが、合わなくて3ヶ月で辞めて、もうアウトサイダーで行こう、いける気がするっていう根拠のない自信だけはあったので。同世代のみんなより早くスタートが切れたと思うし、後悔してないです。