豊田さん、久しぶりですね。
皆さんここにおられる方はご存知かと思うのですが、インスタライブをご覧の皆様に、自己紹介をお願いします。
豊田弘大です。画家です。星空の絵を描いてます、大阪が地元なので今回の展覧会「STAR CHILDREN」の巡回展をチグニッタでスタートさせていただきました。
画家、豊田弘大。いいですね。そもそも豊田さんが「画家」を目指すことになったショートヒストリーを教えていただけませんか?
豊田:幼い時から絵を描くことは好きだったんですけど、画家になりたいとかいうことは特になく、友達が喜んでくれるからとポケモン描いたり、コミュニケーションみたいに絵を描いていたんですけど、15歳のときに、岡本太郎が夢に出てきて「反旗を翻せ」というパワーワードを延々言われるという体験をしたんです。15歳だったんで「反旗を翻せ」っていう言葉をよく知らなくて、目覚めてすぐ辞書を引いたら「謀反を起こす」とか「相手の考え方を変えさせる」とかいう意味だとわかって「あー、そうなんだ」と。それから、急にポケモンじゃなくて何か生み出したいというか、作品を描きたいという衝動が出てきました。
「反旗を翻す」って知らない言葉を夢で聞くっていうのがすごくないですか。岡本太郎、ホンマに降りてきたかんじですね。
豊田:はい、それはもう、鮮明に覚えていたので。
岡本太郎の天啓をうけたんですねー。
豊田:そうでありたいですね。
岡本太郎の存在は知ってたの?
豊田:知ってました、大阪育ちなので太陽の塔とか、それまで写真から怖いイメージしかなかったんですけど、夢に出てからは受け取り方がすごい変わって、感覚として理解できるというか、しっくりくるようになったんですね、思春期というのも重なって最初はすごいネガティヴなえを描いてたんですけど、そこから音楽や映画やいろんなものを吸収していくうちに今のような絵に辿り着きました。思えば、星空というテーマは最初から描いてましたね。
星空は絵具を飛ばして描いているんですけど、これは「ドリッピング」という手法で、(ジャクソン)ポロックの絵を見たときに自分の絵を表現するオマージュとして使えないかなと試してみたらすごくフィットすることがわかって。僕はリップスライムが大好きで、サンプリングの手法で絵で出来ないかなと思ってポロックを試してみたらうまくっいったので、極めてみようと今に続いています。
弘大さんが、プロとして、生業として「画家」を選ぶという瞬間があったと思うのですが、それはいつでしたか?
豊田:高校卒業して、京都精華大学で日本画を学びたくて受験したんですけど、見事に落ちまして。笑。
でも他を受けるとか浪人するとかいう選択肢は自分の中になかったので、絵を描いて生きて死にたいという気持ちだけはあって。そのタイミングで「digmeout ART & DINER」での展示の話をいただいて、実際にお客さんに絵を見てもらったりだとか、買ってもらったりという体験をして、これを仕事をしていきたいなと思ったんです。