■ Hello, neighbours.
僕はロンドン北部のこじんまりとしたアパートにガールフレンドと一緒に住んでいる。窓枠付きの窓があるだけで、外に出れるバルコニーはなかった。でも、歩けばすぐの距離に大きな公園もあり、ロックダウンになるまで僕たちはバルコニーのことなど考えたことなどなかった。しかし、ステイホームでずっと自宅にいて、混乱した情報が垂れ流されていく日常に、自然との繋がりや精神の正気を保つために、プライベートの庭やバルコニーが無いということが明らかな「問題」となった。
ロックダウン期間中のロンドンは、外で過ごすことができる時間に関しては、他の国ほど厳しくはなかったけれど、店舗やレストラン、パブは閉められ、自分たちの未来を思い巡らす力や能力が損なわれたことは誰にとっても大きなインパクトだった。これが僕たちのニューノーマルなんだ。そこで僕たちは自分たちでできることを計画し、自分たちができることで影響を与え、この世界に新しい道を切り開くことに着手した。日々の食事作りのことから毎週金曜日の映画鑑賞まで、これまで僕たちになかった仕組みが日常にもたらされた。時間はゆっくりと流れ、僕は与えられたものを最大限に活用したいと思うようになったんだ。
部屋に外とのコネクションを取り入れるため、窓を覆っていた窓枠を外してみると開放的な窓辺になった。僕はそこに腰掛けてフランス語の勉強をしたりまどろんだりしながら1日のほとんどを窓辺で過ごすうちに、今まで名前も知らなかった同じ近所の人たちも知り合えて良い近隣関係が生まれた。友達もやってきて、僕たちは窓辺から紅茶を、時間帯によってはビールを片手にお喋りを楽しむようになった。
ロックダウン第1週目、僕の毎日はヨガと絵を描くことで満たされていたが、やがて「もっと学ばなければ」、「もっとやらないと」、「もっと生産的にならなきゃ」、「もっと〜しなきゃ」という衝動に駆られ、それが極端になり少し体調を壊した。新しいバランスを理解し、見つけるのには時間がかかり、何もしなくてもいいということを知るまでには、しばらく時間がかかった。実際、クリエイティブなプロセスには、考えたり、やったりすることと同じように、休息も重要なのだ。