居心地のいいエリアに住むのはとても幸せだった。しかし、私たちにはやらなければならないことがあった。そう、アトリエ探し。
アーティストの夫が絵を描くのにふさわしい場所探しは、渡仏してすぐ始めていたが、なかなか思うような場所が見つからなかった。パリ市内の不動産事情は戦場といっても過言ではない。競争率は大体20~30倍。その中で大家さんが誰に貸すかを決めるシステム。外国から来た人、という時点で大体蹴られてしまう。
知り合いに口コミで良い物件がないか聞いてもらったり、ネット上でありとあらゆる物件を見つくし、だんだんと疲れ切ってきた頃、突然理想的な物件に出会うことができた。パリ中心部からは少し離れるが、パリ中心部では広いスペースと天井高を持ち合わせた物件を見つけることは不可能だった。
ネットで見つけた翌日にオーナーに連絡を取り、その日のうちに見学に行った。もとは工場だったこの場所は、天井高が5m以上あり、北向きの窓。私たちが思い描いていたとおりの場所で、久しぶりに心が高鳴った。私たちの見学の前にはすでに4組の人が見にきていて、ハードルの高さを感じた。物件を借りるには、過去3ヶ月分の給与明細、電気代の支払いやこれまでの経歴など、ありとあらゆる書類の提出が必要だった。日本人で、しかもまだ滞在許可証もおりていない、働くこともできない私たちには、絶対に不可能としか考えられなかったこの理想的な物件。どうしても、どうしても手に入れたい!そんな想いから知り合いの方に通訳に入っていただき交渉を重ねた結果、色々な条件はあったものの、ものすごいスピードで借りることができた。これは奇跡としか言いようがなかった。あぁ、神様、ありがとうございます!!私たちはそんな風に何度も叫んだ。
そして、昨年11月に渡仏してから4ヶ月、私たちはこの想い出が詰まった小さなアパートから引越しすることとなった。
ロックダウン中のパリで経験したこと。
・到着3日目にボイラー故障 真冬の中のお湯なし生活
・水漏れ 2回 小さなアパートが洪水に
・トースター爆発
・モーター交換 水を最上階まで引き上げるモーターの故障
・マニフェスタシオン(デモ)
・ゴミ箱が燃やされ警察が暴徒化した人たちを追いかける様子は日常茶飯事
・銀行口座のアクティベートとシークレットコード問題 一体どれだけ時間がかかったか。。。
・突然のめばちこ、蕁麻疹
・夫、突然の嘔吐 もう絶対公園でVin chaud(ホットワイン)は飲まない
・滞在許可証をやっともらえた日にスマホを盗まれる
だいたいのことは経験できた笑