宮崎県生まれ、現在は大分県を拠点に制作活動をしている山中智郎は、仏教美術のモチーフをヒーローの原型とし現代人の精神性を再定義した作品で、国際アートフェア「UNKNOWN ASIA」2020年ではオーディエンス賞、2021年はスポンサー・サンクラール賞、審査員・谷口純弘賞を受賞し九州から関西、世界へと活動の幅を広げている注目株のアーティストです。
本展では、2020年から制作している麗髪(うるかみ)は日本人の持つ美しさを認識するためのシリーズです。要素を削ぎ、少女像というモチーフを反復し、無駄のない美しさを追求しています。伝統工芸品や書道に通ずる、手仕事の細やかさ、ミニマリズムを日本人特有の感覚と捉え、無垢な少女像にアウトプットしています。マスキングで作ったなだらかな形、刷毛で一筆描きした流動的な髪の筆致、絵の具を何層も重ね削り出した模様など工芸品に使われる技法も引用しています。
「悟りを受けたように物事の要素を削ぎ落として本質を追求できたら」と語っていた通り、ミニマリズムな感性で美を追求した「麗髪(うるかみ)」シリーズで自身初の大阪個展に臨みます。また、有限会社サンクラールが誇る特殊箔印刷技術 Sプリズムプリント®技法を用いた山中作品を余すことなく立体的に色彩豊かにご覧いただけるカレンダーもご用意しております。