3月9日から京都写真美術館 ギャラリー・ジャパネスクで個展開催されるゴトウヨシタカ 。そのタイトルは「Mission:Nolan」。フィルムカメラの多重露光によって生み出される時間と空間を超えた写真はそのアナログ手法も相まって、クリストファー・ノーランの世界感を写真で表現したものと公言している。彼のステートメントを見てみよう。
映画監督クリストファーノーランの作品の世界観をフィルムカメラによる多重露光で撮影したフィルム写真展。ノーラン監督はアナログでの撮影にこだわり、一見CGでの制作と思われるシーンでも、実は実写で撮影していることが多くある。そんな彼の作品に感銘を受け、その世界観をアナログな技法で撮影した写真作品を展示。ノーラン監督の作品は「時間軸」や「空間」が予測できないくらい移動し交錯する。私はそんなイメージを「フィルムスワップ」と呼ばれる、撮影を終えたフィルムをカメラに再装着して重ねていく多重露光で異なる「時間」と「空間」を1つのコマに撮影していった。
それはレンズをマスキングして上半分はアメリカ、下半分はアイスランドといったように異なる国の景色を1つのコマに撮影すると言う、手間とリスクだらけのアナログな技法だ。
しかしこうした技法で撮影された写真は「インセプション」の夢の中、「インターステラー」の惑星、「バットマン」の「ゴッサム・シティ」などを思い起こす世界観を生み出した。それはノーラン監督と同じ「アナログ」にこだわり、「時間軸」と「空間」を自在に移動させることができたからだ。
「Mission : Nolan」とはノーラン監督の世界観を作り出すという私の使命と、いつか彼にこれらの作品を見てもらうと言う計画。この計画が達成されるまでに何年かかるかわからないが、達成されるまでこの作風を継続し、展示をしていくだろう。
ゴトウヨシタカ
京都産業大学経営学部卒。フリーランス写真家。digmeout (FM802) 登録アーティスト。2008年にロシアを起源とするLomography(ロモグラフィー)社製のフィルムカメラに出会い、それまで使っていたデジタルカメラを封印。既成概念に捉われず、撮影を楽しむ世界中のロモグラフィーユーザーに触発され多重露光に没頭。CGやSF映画の様な世界を多重露光やクロスプロセス現像といったアナログの手法で作品制作を行う。それらの作品は時に幻想的で時にクレイジーな作品として様々なコンペで評価を受ける。作品発表は東京、大阪を中心に個展を開催し、国内外のアートフェアにも出展。また作品は各種広告、書籍の装幀、企業カレンダーなどのアートワークに採用される。そしてフィルムカメラによるワークショップの講師も各種学校などで勤める。さらにトークイベントのゲスト出演などの活動も国内外で行う。2018年にバッファロープレスより写真集「Inception」、2019年に233PRESSより写真集「X-ing」を出版。
個展情報
ゴトウヨシタカフィルム写真展
「Mission : Nolan」
期間 2021/03/09 ~ 2021/03/21
(期間中無休)
会場 京都写真美術館
ギャラリー・ジャパネスク 2階
住所 〒605-0038 京都市東山区堀池町374-2
TEL 080-5988-7720
営業時間 11:00〜18:00
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