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カミーユ・べギン ギャラリートーク



4月8日からチグニッタでスタートした現代浮世絵シルクスクリーンポスター展。スイスで活躍するイラストレーター、カミーユ・べギンさんを囲んでのギャラリートーク。 京都造形大学(現京都芸術大学)時代の先生、寺田順三さんと二人で話を聞きました。日本初個展の「現代浮世絵 UKI OH YEAH」は、現在オンラインでも販売中です。


動画コンテンツはこちらから https://www.instagram.com/p/CqxRa0JPNZo/


 

カミーユ・ベギン

スイスのジュネーブを拠点に活動するイラストレーター、版画家。2007年から2010年まで日本文化と言語を学び、2011年から2015年までイラスレーションとグラフィックデザインを学ぶ。 2010年秋に東京外国語大学、2014年春に京都造形芸術大学に留学し、両学位とも日本での交換留学を経験。京都での留学中シルクスクリーン印刷に出会い、その技法に魅了された。小学校で図工を教えるアルバイトをしながら、作品を制作している。
ウェブサイト : www.ca-mi-yu.ch instagram : CAMI__YU

 


ギャラリートークの様子

カミーユさん、今日はよろしくお願いします。 お相手は私、谷口と、カミーユさんには欠かせない日本の師匠、寺田順三さんです。寺田先生、よろしくお願いします。まずは、カミーユさん、自己紹介をお願いします。カミーユさん、日本語で頑張るとのこと!

カミーユ:こんにちは。私はカミーユ・べギンです。私はジュネーブで育ちました。両親は二人とも音楽の先生でした。おじいさんは建築家と陶芸家だった。なのでクリエイティビティは家族の問題だといえます(笑

寺田:どういう意味やねん。笑。

私の才能は家庭環境だと言いたいわけですね。笑。

カミーユ:19歳の時に勉強しようと思って、芸術大学に行こうと思ったけど行けなかった。試験に失敗した。昔からずっと日本文化に興味があったので日本語を勉強しようと思った。最初に日本の文化に興味を持ったのは従兄弟のせいで、従兄弟はマンガオタクだったので。それでマンガを読むようになりました(笑

従兄弟はどんなマンガを読んでたの? 

カミーユ:ドラゴンボールとか。笑。なので3年間自分で日本語を勉強して、その後東京外国語大学に留学できたのですが、1年目に東北地震があったので、1年で戻ってしまった。で、そのあと本当にデザインをやりたかったので、もう一度勉強して、ジュネーブの芸術大学から京都造形大学に留学できた。

寺田:9年前ですな。

その時、カミーユは寺田先生の生徒だったんですね。

寺田:シルクスクリーンの授業をしてまして、タバコ吸う所でよく一緒になりましてん。笑。

その頃のカミーユさんの印象はどんな感じでしたか?

寺田:一生懸命でしたね。アイデアもたくさんあって、絵もうまかったですよ。女の人のパンティの絵を描いてたのをよく覚えていてて。ね。

カミーユ:はい。

ははーん。それで寺田先生、カミーユのことが好きになったんですね。笑

寺田:学生自分に作品も交換したよね。



カミーユさん学生時代の作品

寺田先生はどんな授業でしたか?

カミーユ:ジューネーブでは、イラストの先生は絵本なら絵本だけ、教えます。日本では先生がいろんな授業を持っていて、寺田先生も絵本以外にシルクスクリーンや、いろんな授業を持っていて、とても面白いと思いました。だから生徒もいろんなスタイルの人がいたので、それを比べるのが面白かった。みんなの作品を見るのが楽しかった。

寺田:9年前ぐらいは生徒も本当にいろんなスタイルがありましたからね。今はみんなアニメ系になってしまって。

イラストレーションはジュネーブで学んでいたのですよね。

カミーユ:そうです、デザインと美術の大学でした。ジュネーブは大阪より小さな町で、20万人しかいない。スイスの2番目の都市なので大学も多かったので自分の街で勉強することができた。



学生時代のカミーユさん。シルクスクリーン制作中

カミーユさんは浮世絵のスタイルを始めようと思ったのはどうしてですか?

カミーユ:日本語を勉強して、そしてデザインを勉強したので二つを組み合わせたかった。日本芸術の歴史の授業もうけたので。

日本の歴史の中でも特に浮世絵を選んだのはどうしてですか?

カミーユ:版画が好きでした。色が好きでした。北斎の版画のグラデーションを見て、こういうのがしたいと思った。人物の顔は、子供の時にずっと描いてた漫画のスタイルに飽きてしまったので、日本画のスタイルにしようと思った。この浮世絵スタイルを始めたのは2017年でした。ジューネーブのギャラリーで日本をテーマにしたグループ展があって、それに参加しようと思って、このシリーズを4枚、つくりました。

最初の日本テーマの展覧会は全てヨーロッパのアーティストでしたか?

カミーユ:そうです。10人ぐらいでした。書道とか、ペインティングとかタトゥーアートとかでした。2014年にシルクスクリーンを初めてすぐに大好きになって続けようと思った。ジュネーブにいる先生の工房にも通っていろいろ試しました。




日本の浮世絵は木版画ですが、シルクスクリーンでそれを表現しようとしたのはどうしてですか?

カミーユ:木版画はとても時間がかかりますね。シルクスクリーンはデザインからすぐに版下ができるし。版画にはチームが必要ですし、お金もかかりますから。でもシルクスクリーンは背中が大変。全部自分で刷らないといけないし。

シルクスクリーン作品ができあがるまでのプロセスを教えてください。

カミーユ:まずはアイデアを探します。スノーボードがいいとなったらピンタレストでたくさんのスノーボードの写真を探します。そこからポーズを決めたら、ひたすらスケッチします。ペンタブでずっと絵を描いて、フォトショップでフィニッシュします。

そのあとシルクスクリーンで印刷するために色分けをするんですよね。

カミーユ:そうです。

色はどの段階できめますか?

カミーユ:金色とか好きですから先に色を決めて、グラデーションする時もあるし、しない時もあります。あと、透明インクを使って透けて見える効果を狙ったりもします。あと、ゴールドにブルーを乗せたら緑になったりするので、色を増やすことができます。



カミーユの浮世絵アートプリント過程


僕はこの作品のテーマはもちろんですが、モデルの着物の柄がとても特徴的でいいなと思いました。ピザがテーマの帯がトマトだったり、洒落てますよね。こういう着物のテキスタイルのアイデアはどのようにして決めていますか?

カミーユ:ピンタレスト(笑)「着物+デザイン」のテーマで探して、あとは自分の好きなモチーフも加えます。

どのテーマもモダンなモチーフですが、テーマ自体はどのように決めますか?

カミーユ:四季をまずテーマに据えて、その季節に合わせて作品のアイデアを練ります。自分の国の文化と日本の文化を汲みわせてみたかった。チーズフォンデュやスキーなどがそうですね。

確かにチーズフォンデュはスイスぽいアイデアですね。このランプシェードの柄もそうですか?

カミーユ:そうですね。「スイスの伝統柄」をピンタレストで探して(笑


日本初公開、カミーユ・べギン「現代浮世絵」作品はオンラインでも購入できます。 https://chignitta.thebase.in/

寺田:シルクスクリーンをやるとね。自分の作品を客観的に見ることができるから、みんなに勧めているんでっけどね。めちゃハマる人とそうでない人いますねん。

カミーユさんの作品はとてもディテールが細かくて、とても見応えがありますね。バンドのドラムセットとか、番傘とか、隅々まで目が楽しい。このサイズ感もいいのだと思いますね。

カミーユ:これが、私のところで刷れる最大サイズです。

スイスでは展覧会はどれくらいしていますか?

カミーユ:個展は3回。日本では初めてです。日本で展示できてとても嬉しいです。どうしてもこのシリーズを日本で紹介してみたかったのでうれしいです。

カミーユさんのこれからのプランを教えてください。

この「UKI YO YEAH」シリーズは100種類ぐらいやってみたい。100種類できたら作品集にしたいです。あと子供のための絵本のプロジェクトもスタートしはじめています。あと。お花屋さんの親友とポストカード作ったり。したいものがありすぎて、死ぬまでの時間がたりないかも。笑。



たくさんのお客様で賑わったギャラリートーク


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